ボイトレ解説

あなたの姿勢は間違ってるかも?歌のための良い姿勢とは【ボイトレ解説】

ゆりか先生
ゆりか先生
声楽講師の永井友梨佳です♩

 

歌を上手く歌いたい!と思った時に、姿勢に気を付ける人は多いと思います。

音楽の授業でも「良い姿勢で!」とよく言われたりしましたよね。

でも実は、歌をうたう上での「間違った良い姿勢」が多く広まっていて、

その姿勢が原因で、歌うのが苦しい、という方も多いなと感じているんです…

そこで今回は、勘違いされがちな「間違った良い姿勢」と、

気持ちよく歌うための姿勢の整え方を解説してみようと思います♪

 

間違った良い姿勢とは?

では、最初に多くの方が思っているだろう、

「間違った良い姿勢」のパターンをいくつかご紹介してみようと思います。

良い姿勢=胸を張って、腰を反らす

「良い姿勢」というと、胸を張って腰を反らすイメージがある方も多いと思いますが、

実はこの姿勢、歌にとってとても良くないんです…

特に良くないのが「腰を反らす」ということ。

実は、解剖学的に、腰を反らすと深い呼吸がしづらくなるんです。

その理由はこんな感じ↓

腰を反らす
→背骨同士の間隔が狭くなる
→肋骨が動きづらくなる(肋骨は背骨の間に関節をもっているため)
→息が肺に入りにくくなる

なので、歌う時に腰を反らすと深い呼吸が出来ず、安定した発声が出来なくなってしまいます。

 

解剖学的な詳細は、こちらの講座で解説しています↓

歌のための体のしくみ講座【解剖学オンライン講座】 ゼロから学ぶ、歌のための解剖学オンライン講座を行っています! このページを見てくださってい...

 

良い姿勢=動かないことだと思っている

「良い姿勢」というと、決まった姿勢があって、

その姿勢をキープしたまま歌わなきゃ!と、微動だにせず歌っているパターン。

実はこれも、あまりよろしくないんです。

 

歌う時には、喉だけじゃなくて、体全体のたくさんの筋肉を使います。

そして、その筋肉たちはリラックスした状態でしなやかに動いているのが理想的なんですね。

ですが、「良い姿勢=動かない」だと思ってしまっていると、

どうしても力みに繋がってしまい、筋肉をしなやかに使えなくなってしまうんです。

 

実は、歌う上での良い姿勢というのは、よく動く姿勢なんですね。

歌う時というのは、色んなところが動いても良いんです!

背中もお腹も、肩も首も頭も、腕も、

全部の筋肉がほどよくリラックスした状態で自然と動いているのが、

良い発声のためにはとても重要です。

 

肩や胸を動かしちゃいけない

さっきの項目ともすこし被りますが、特に多いのがこのパターン。

歌う時に「肩や胸を動かしちゃいけない」というのも、私は間違った良い姿勢だと思っています。

 

実はこのパターン、ボイトレ経験者に多くて…

「肩や胸を動かさないで」と指導される歌の先生がけっこういらっしゃるんですよね。

歌の先生によって考え方は違うので、一概に否定するつもりはありませんが、

私が今まで解剖学を学んだり、歌ってきた経験からすると

「肩や胸は自然に動く」のが良い発声のためにはいちばん良いと考えています。

 

おそらく、「肩や胸を動かさないで」という指導は、

胸式呼吸よりも腹式呼吸を意識させるためのアドバイスだと思うんですよね。

肺を下方向に拡げて使うために、上方向の動き(肩や胸)を止める、という論理だと思います(おそらくですが…)

でも、解剖学的に呼吸のしくみを理解すると、胸式呼吸・腹式呼吸というのはそもそもはっきり分けられないんです。

そして、呼吸をするときには、肺は上方向にも下方向にも、全体を効率よく使ってあげた方が断然良い。

つまり、肺を下方向に使うのはもちろん重要なのですが、

だからといって上方向(つまり肩や胸)への拡がりを止める必要はないんです。

 

そして、「動かさない」と意識すると、力みに繋がることがとても多いんですよね。

肩回りや鎖骨には、呼吸に関する筋肉だけではなくて、声帯周辺を動かす筋肉もあり、

そこが力むと、声帯のコントロールがしづらくなるリスクもあります。

呼吸をする時に、必要以上に肩や胸を動かそうとする必要はないと思いますが、

肩や胸は自然と動く状態にしておいてあげるのが、ベストかなと考えます。

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歌うための姿勢の整え方

では、ここからは具体的な姿勢の整え方を解説してみようと思います。

 

まずは、歌う前に、ストレッチをして使う筋肉たちをほぐしてあげます。

ストレッチ方法はこちらの記事にまとめています

【自宅で簡単に出来るボイトレ】ブレスのためのストレッチ 以前、独学で歌が上手くなるのは、なかなか難しいをいうお話をしました。 その記事はこちら:歌が上手くなるための4...

 

筋肉がほぐれたら、以下の方法で姿勢を整えてみてください。

姿勢の整え方(立って歌う場合)

  1. 足は肩幅くらいに開いて、足の裏全体に均等に体重をのせます
    (前のめりや、後ろ体重にならないように)
  2. ひざはピンと張りすぎないで、少し緩めるくらいで◎
  3. 腰から、背骨をひとつひとつ積み上げるイメージをします。
    腰~背中~首まで、まっすぐ積み上げていきます。
    ※背骨は正確には少しカーブしていますが、イメージの上では真っすぐ積み上げる感覚でOK!
  4. 首まで背骨を積み上げるイメージをしたら、頭蓋骨はそのうえに乗っかるイメージです。
  5. 姿勢はこの「骨の積み上げ」で作れるので、筋肉はすべてリラックスさせていきます。

ポイントは「背骨を積み上げるイメージ」です。

腰から背中、首まで、背骨をひとつひとつ、まっすぐ積み上げるイメージをします。

こうすると、反り腰になることはなく、かといって猫背にもならず、ちょうど良い姿勢をつくることができます。

そして、姿勢は骨で支えているイメージをして、筋肉は全部リラックスしてあげるのもポイント。

姿勢を保つためにどこかの筋肉が力んでいたら、緩めてあげるようにしましょう。

 

そして、歌う時には頭・首・肩・胸・腕・お腹・背中など、色んな所が動いてOK!

呼吸の度に色んな筋肉がしなやかに動く方が、深いブレスが自然とできます。

歌いながら色んな所が動いているのが、ラクに気持ちよく歌うための理想的な姿勢です。

 

ちなみに、座って歌う場合の整え方もご紹介しておきますね↓

姿勢の整え方(座って歌う場合)

  1. 椅子に座って、足の裏全体は床にしっかりつけます。
  2. 一度両手をおしりの下に挟んで、左右にある大きな骨(座骨)を確認します。
    この座骨が、座るときに上半身をささえる骨になります。
  3. 座骨をしっかり椅子の座面につけます。
  4. 腰から、背骨をひとつひとつ積み上げるイメージをします。
    腰~背中~首まで、まっすぐ積み上げていきます。
    ※背骨は正確には少しカーブしていますが、イメージの上では真っすぐ積み上げる感覚でOK!
  5. 首まで背骨を積み上げるイメージをしたら、頭蓋骨はそのうえに乗っかるイメージです。
  6. 姿勢はこの「骨の積み上げ」で作れるので、筋肉はすべてリラックスさせていきます。

座って歌う時のポイントは「座骨」

この骨が上半身を支える土台になるので、

座骨をしっかり椅子につけて、ここで支えるイメージをします。

そこから背骨を積み上げるイメージは、立っている時と一緒です。

 

姿勢を整えて、ラクに気持ちよく歌おう

姿勢について、いかがでしたか?

意外に思われる部分も多かったんじゃないかなと思いますが、

ぜひ一度は試してみてほしいなと思います!

 

実はこの記事をまとめようと思ったきっかけがありまして…

私が、ボイトレや解剖学の講座を通じて色んな方から話を聞く中で、

「間違った良い姿勢」に囚われて、歌うのが苦しいという方が多くおられたんですよね。

本来、歌うことというのは体が喜ぶこと。

苦しい想いをしなくても、ラクに気持ちよく良い声は出るんです。

そういった悩みをもつ方に少しでも届けばと思い、今回は解説してみました。

少しでもお役に立ててもらえれば、とても嬉しいです(*^^)

 

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今回解説した姿勢も、一緒に整えていくことができます♪

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それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)/

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永井友梨佳
声楽講師/ボイストレーナー。ソプラノ歌手。
鳥取県米子市出身。京都市立芸術大学音楽学部声楽専攻卒業。

ストアカ プラチナバッジ獲得講師。レッスン受講者からの評価は、平均☆4.97をいただいています(レビュー件数200件以上)
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