ボイトレ解説

【どうやってあがり症を克服したのか・後編】ヨガとの出会い

ソプラノ/アウトリーチ専門演奏家の永井友梨佳です♩

 

先日の「どうやってあがり症を克服したのか・前編」の記事は

これまでの記事と比べて多くのアクセスを頂いたようで…

たくさん読んで頂きありがとうございました!

【どうやってあがり症を克服したのか・前編】考え方を少し変えてみるソプラノ/アウトリーチ専門演奏家の永井友梨佳です♩ 本日は、ずっと書きたかったテーマです。 「どうやってあがり症を克...

本日は、「どうやってあがり症を克服したのか」の

「後編・ヨガとの出会い」をお届けします。

 

 

ヨガとの出会い

前編でお話した、「考え方を少し変えてみる」ことによって

少しずつ、本番でも音楽を楽しめるようにはなってきました。

ただ、まだまだ大きい舞台だと緊張したり、

体が思うように動かないと思うこともありました。

 

そして、こちらのnoteの記事にも書きましたが、

私が会社員を辞めるわけ(2020.3.5追記あり)|永井友梨佳|声楽講師・ボイストレーナー (note.com)

大学卒業から数年後、私は一旦音楽をお休みして、地元に帰ることになります。

そこで、地元で出会ったのがヨガでした。

 

はじめは、運動不足解消とか、ダイエット目的で始めたヨガですが

続けていくうちに、

私の演奏家としての悩みを解決してくれることが多いなあ、と気づくようになります。

そして、その後音楽を再開したときも、ヨガで学んだことを取り入れていったら

フィジカル面でもメンタル面でもとても役に立ったんです。

 

では、ここからは具体的にどんなことが役に立ったかをまとめてみますね。

 

ヨガからの学び:フィジカル面

まずはフィジカル面(身体面)での学びです。

 

自分の体の状態を観察できるようになった

初めてヨガのクラスに参加して、一番最初にしたことは「呼吸」でした。

あぐらをかいて座って、目を閉じて、呼吸に目を向ける。

呼吸法とか、難しいものではなくて

最初は、ただただ、今の自分の呼吸を観察するんです。

そして、徐々に、呼吸だけではなく自分の体の状態を、すみずみまで感じていきます

 

これを初めてやった時、

「今までこんなに自分の体を観察したことが無かった!」と気づいたんです。

 

うたを歌うことも体を使うことなのに、

私はいつも「こういう声をださなきゃ」とばかり考えていて

自分の体が現状どうなってるのか、を冷静に観察できていませんでした。

ヨガを始めてからは、

うたう時も、まずは自分の体がどうなっているのかを観察できるようになり

練習の効率が上がったように思います。

体のどの部分が固まっているのか、喉の調子はどうなのか、無理のない姿勢ができているか、など

自分の体をより深く知ることができて、コンディションも見極められるようになりました。

 

本番前も、今までは「緊張してる!どうしよう…」と焦ってばかりだったのですが、

ヨガに出会えてからは、その時の自分の体の状態を冷静に観察して、

「息が深く吸えていないな」「肩回りに力が入っているな」などに気づき、

対処できるようになりました。

 

グランディング:地に足をつける

ヨガで学んだとても重要な要素のひとつが「グランディング」です

(グラウンディング、ともいうようですね)

 

「グランディング」とは、簡単に言うと「地に足を付ける」ということ。

深い呼吸をしながら、足から根っこを生やすようなイメージで

重心を下に落として、体に安定感をもたせます。(言葉にするの超絶むずかしいですが笑)

ヨガだと、例えばこんな感じのバランスをとるようなポーズも、

グランディングを意識することで安定感がでてくるんですよね。

 

また、グランディングは体だけじゃなくて、心にも大きく関わっています。

 

不安だったり、怒ったりしている時って

呼吸が浅くなり、重心があがって

足元がふわふわしていることが多いんですよね。

そんなときに、このグランディングを意識すると

呼吸が深くなり、重心が下がって体が安定してきます。

そうすると、気持ちも落ち着いてくるんですよね。

 

グランディングを知ったとき、一番に思ったのが

「これはめっちゃ本番に使えそう!!!」ということでした(笑)

以前は、本番でうたっている時に、

重心が上がって、かかとが浮いてしまうことが悩みだったんですよね…

でも、本番前にグランディングを意識しながら呼吸をすると、

しっかりと重心を下げて、体を安定させて歌うことができるようになりました。

また、気持ちの面でも落ち着くことができ、良い状態で本番に臨めるようになりました。

 

ヨガからの学び:メンタル面

次は、メンタル面(精神面)での学びです。

 

自分のありのままを受け入れる

ヨガのレッスンを受けながら、繰り返し先生から言い聞かせてくれたのが

「今の自分のありのままを受け入れましょう」ということ。

 

目を閉じて呼吸に集中するときも、いきなり深い呼吸をしようとするんじゃなくて

まずは、今の自分のありのままの呼吸に目を向ける。

そうすると、今日は呼吸が浅いな、疲れてるからかな、というような気づきがあります。

 

ポーズをしていて、なかなか出来ない時や体がつらい時も

無理をするんじゃなくて、今の状態を受け入れて、観察してみる。

そうしたら、ちょっと体が無理をしているからゆるめよう、といった判断ができるようになる。

 

また、ヨガのクラスでは短時間の瞑想をすることもありました。

(瞑想=メディテーションともいいます)

瞑想は、超簡単に言うと、

目を閉じて呼吸に集中しながら、頭の中をどんどん空っぽにしていくような作業なのですが、

慣れていないうちはなかなか集中するのが難しく、

余計なことを色々考えてしまいます。

 

でも、先生は繰り返し「まずは今の自分の状態を受け入れることが大切」と教えてくれました。

自分のありのままを受け入れて、

「あ、今こんな余計なことを考えているな」と客観的に捉えることができるようになると、

不思議と、だんだん瞑想に集中できるようになりました。

 

瞑想は、なじみのない人にはスピリチュアルな怪しいイメージも強いと思いますが(笑)

瞑想が体に良い影響を与えることは、実は科学的に証明されています。

あのスティーブ・ジョブズをはじめ、多くの経営者たちや企業でも取り入れていますよね。

 

そして、「ありのままを受け入れること」は、うたにもすごく良い影響がありました。

 

以前は練習していても、こうしなきゃ、ばかり考えていたのですが

まずは「現状を受け入れる」ことができるように。

本番前も、緊張しないように、と考えるのではなくて

まずは「緊張している自分、不安な自分を受け入れる」

そのうえで、それをほぐしていく、という考え方が出来るようになり

とても心が楽になったのを覚えています。

 

人と比べない

普段から、私たちは、周りの人と自分を比べてしまいがちです。

ヨガのレッスンを受けていても、どうしても周りの人を意識してしまいます。

めちゃくちゃポーズが綺麗な人、難しいポーズも出来る人、体が柔らかい人、スタイルが良い人…

出来ない自分と比べて、落ち込んでしまいそうになることもあるんですね。

 

でも、先生はレッスン中に

「隣の人と比べない」

「呼吸は自分のペースで。隣の人に合わせなくて良い」

「ヨガマットの上にいるときは、自分だけに集中すること」

「周りに合わせずに、自分にとって無理のない範囲で」

「自分が心地いいと思える感覚を大切に」

と繰り返し言い聞かせてくれました。

 

ヨガのクラスで体を動かしながら、繰り返し言い聞かせてもらううちに

だんだん「人と比べない」ということが体と心に染みついてきたように思います。

そして、周りの人が気にならなくなってくると、

より自分に集中することが出来るようになりました。

 

うたも同じですよね。

他の人の演奏を聴いて、ついつい自分と比べてしまいそうになることもあるし、

コンクールや試験などでは、否応なしに他の人と比べられ、順位をつけられます。

 

でも、自分の演奏は自分だけにしかできないこと

たとえ比べられる場面だったとしても、自分にできることは自分のベストを尽くすことだけ。

もちろん今でも比べてしまうことはありますが、

以前のように落ち込んだりすることは少なくなりました。

他の人と比べるよりは、

自分自身や、聴いている人に向き合うことの方が大切だと、気づくことができました。

 

今ここにいる、ということ

これも、とても重要な学びです。

ヨガのクラスで先生がよく言っていたのが

「アタにとどまって」ということ。

 

アタ(AHTA)とは、「今、この瞬間この場所」という意味のサンスクリット語の言葉です。

 

人は、何気なく過ごしていると、

「今」ではなく、常に過去や未来のことを考えてしまいがち。

悩みや不安も、多くは過去か未来のことなんですよね。

でも、時にはそれを手放して、「今」に集中する。

ヨガだったら、呼吸をしている今、ポーズをとっている今、に集中すること。

今の呼吸に集中して、呼吸の気持ちよさを最大限に感じてみる。

今のポーズに集中して、体がほぐれていく感覚を最大限に味わってみる。

そうして頭をからっぽにして集中していると、終わったときにすごくスッキリしたんです。

 

この考え方を初めて知ったとき、なかなか衝撃的でした。

日頃から少し意識して生活してみると、たとえばご飯を食べていたとしても

仕事のことやプライベートのこと、TVをみながらだったり、全く別のことを考えていたりして

全く「今の食事」に集中していないことに気づいたんですよね。

 

だけど、「今ここにいる」ことを意識してみると

ご飯をひとくちひとくち味わえて、とても満足できる時間を過ごせてびっくり。

どれだけ「今」をないがしろにしてきたか、ということに気づきました。

 

音楽は「時間芸術」です。

演奏している人、聴いている人がいて、

その「今」を共有することで、音楽を楽しむことができます。

 

演奏前や演奏している時には、余計なことを考えてしまうこともありますよね。。

そうすると、簡単に集中力は途切れてしまい、今の音楽に集中できなくなってしまいます。

 

でも、たとえ調子が悪くても、不安なところがあっても、本番中は忘れてしまって

この「今ここにいる」ことに意識を向けて、

「今は、この瞬間しかないんだ。この演奏も、1回限りのものなんだ」

と思いながら演奏すると、音楽を心から楽しむことができるようになった気がします。

この「今ここにいること」に集中するスキルは、演奏をする上でとても役立っています。

 

フィジカルとメンタルはつながっている

フィジカル面、メンタル面での学びをそれぞれまとめてきましたが、

「フィジカルとメンタルはつながっている」というのが実感できたのも

ヨガを通じて学んだことです。

 

たとえばポーズをとっていて、隣の人よりうまくやろう(メンタル)と思っていると

体のバランスを崩してぐらついてしまったり(フィジカル)

 

自分に集中して落ち着いた気持ちでいる(メンタル)と

ポーズも安定して、長時間楽に続けることができます(フィジカル)

 

ポーズがぐらついたり、バランスがくずれそうなとき(フィジカル)は、

自分に集中して、今ここにいることを意識すると安定してきたり(メンタル)

 

メンタル面が不安定なときは、フィジカル面で整える

逆に、フィジカル面が不安定なときは、メンタル面で整える

これが出来るんだ!ということを、ヨガを通じて日々実感していきました。

 

うたでも、大いに活用できます。

 

たとえば、本番前に緊張と不安でいっぱいなとき(メンタル)は、

深呼吸をして、グランディングを意識する(フィジカル)と

気持ちも落ち着いてきます。

 

本番中にうたっていて呼吸が浅いなと感じたら(フィジカル)

その状態をまずは受け入れて、「今ここにいる」ことに集中していく(メンタル)と

音楽に集中できるようになり、呼吸も深まってきます。

 

演奏している時も、ヨガをしている時と同様に

メンタル面で崩れても、フィジカル面で持ち直せるし、

フィジカル面で崩れても、メンタル面でなんとかできることがわかると、

とても心強いというか、自分自身を味方につけたような感覚になりました。

 

ヨガに行ってみたいと思ったら…

ここまでめちゃくちゃヨガをゴリ押ししておりますが(笑)

今はめちゃくちゃたくさんヨガ教室がありますよね…!

ヨガは、先生によっても流派によっても、本当に多種多様なんです。

 

私の例でお話しますと、、

地元で行っていたヨガのクラスは、自分にとても合っているな、と感じていました。

先生の雰囲気や声も好きで、(声ってけっこう重要です!)

フィジカル面・メンタル面ともに、バランスよく教えてくれました。

少人数のクラスだったので、それも自分には合っていて、

ヨガの教えをより深く理解することができたんですね。

約5年間、週1~2ペースで通っていました。

 

そして、東京にきてからもヨガを続けたいと思い、

いくつかヨガのクラスに行ってみたのですが、、

ここで初めて、ヨガって本当に多種多様なんだな…!というのに気づきました。

 

フィジカル重視というか、体を動かすだけのフィットネス的なクラスもあったし、

スピリチュアル的な要素強めというか…そういったクラスもありました。

まだ自分に合うクラスをみつけられておらず、私は今現在はヨガには通っていません。

 

ヨガの先生や教室を選ぶときは、自分と合うかどうかがとても大事だと思います。

もしヨガに行ってみたい!と思ってヨガのクラスを選ぶときは、

体験レッスンなどを受けてみて

自分と雰囲気が合うか、リラックスできるか、心地いいかをよくよく感じてみて

決めることをおすすめします…!

「この先生がいい」「ここの流派がいい」ということではなく、

ヨガをした後、自分が「気持ちよかったな」「また行きたいな」と思えば合ってると思うし、

逆に「なんか違うな」「リラックスできなかった」「楽しくなかった」と感じれば

その感覚を大切にした方がいいと思います。

自分に合う先生をみつけたら、ヨガは本当にきもちよくて、リラックスできると思いますよ♫

 

おわりに

ひたすらヨガの素晴らしさを語りまくる記事になりました(笑)

でも、本当に「演奏家とヨガ」は通じるものが多いと思うし、

音楽とは関係ない場面でも、ヨガで学んだことは生かせることが多くて、

私はヨガに出会って本当によかったなと思っています!

 

実は、ヨガ哲学や、シニア向けの椅子ヨガの短期集中講座も

過去に受けていたりして…

これを機に、またさらに学びを深めたいな、と思いました。

ヨガ哲学とかもすごく面白いんですよね…

椅子ヨガはシニアだけでなく、オフィスなどでも出来るんですよ~(*^^*)

 

また、グランディングや呼吸法などは、

文章でお伝えするのはとても難しく、伝わりづらい部分もあったと思います(´・ω・`)

私が行っている個人レッスンでは、グランディングの具体的なやり方などもレクチャーしていますので

気になる方はぜひ(*^^*)

特に緊張で悩んでいる人には、グランディングは一度は試してみる価値があると思いますよ…!

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とてもとても長い記事になってしまいましたが、

最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)/

 

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永井友梨佳
声楽講師/ボイストレーナー。ソプラノ歌手。
鳥取県米子市出身。京都市立芸術大学音楽学部声楽専攻卒業。

ストアカ プラチナバッジ獲得講師。レッスン受講者からの評価は、平均☆4.97をいただいています(レビュー件数200件以上)
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