ソプラノ／アウトリーチ専門演奏家の永井友梨佳です♩
今日ご紹介するのは、武満徹作曲・井沢満作詞の「島へ」です。
作曲の武満徹さんって？
武満 徹（たけみつ とおる、1930年 – 1996年）
ほとんど独学で音楽を学んだが、若手芸術家集団「実験工房」に所属し、映画やテレビなどで幅広く前衛的な音楽活動を展開。和楽器を取り入れた『ノヴェンバー・ステップス』によって、日本を代表する現代音楽家となった。
「世界のタケミツ」とも呼ばれるほど、世界的に評価された作曲家さんです。
武満徹さんは歌曲や合唱曲もたくさん手掛けておられます。
作詞の井沢満さんって？
井沢満さんは、1945年生まれの脚本家・小説家。
コメンテーターとしてテレビ出演などもされているそうです。
どうしてこの曲が生まれた？
この曲は、1983年放送のNHK大阪のテレビドラマ「話すことはない」の挿入歌として作曲されました。
このテレビドラマの脚本が、井沢満さんだったので
作詞も井沢満さんが手掛けたみたいですね。
ですが、実際はドラマでは使われなかったそうで、
翌1984年12月17日に、田中信昭指揮 東京混声合唱団演奏会にて、合唱曲として初演されました。
（このエピソードは、楽譜集の「武満徹：SONGS」に記載があります）
井沢満さんのブログにも、「島へ」の話題が載ってました！
この曲は高校の教科書に載ってた時期もあるみたいですね～
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「島へ」の歌詞
では、歌詞をみてみましょう。
島へ
見知らぬ人よ
あなたは何処にいるのですか
めぐりあいを信じていますか
ガラスの廻転扉をひとつまわったら
あなたの胸にぶつかるでしょうか
都会の海に漂い
島をさがしつづけています
彷徨うひとよ
あなたは歩きつづけますか
繋ぐ掌と掌もとめていますか
心の水平線さえいつか見つけたら
あなたとわたし出逢えるでしょうか
結ばれ睡る緑の
島をさがしつづけています
井沢満・詞
詞だけを読むと、意味のわかるような、わからないような…
なんとも想像力をかきたてる詞です。
すこしメルヘンちっくというか、ファンタジーな雰囲気も感じますよね。
そして、読み終わったあとに少し希望がみえるのもとても好きです。
気だるさと浮遊感が魅力
曲も、この詩にぴったりのなんとも気だるいような、ふわふわしたような雰囲気です。
この曲、拍子が「8分の12拍子」なんですね。
歌では特に、なかなか無い拍子です。
おおきく取ると4拍子にもなるけど、常に細かい3拍子も感じているというか、、
（言葉にするの超絶むずかしいですが…笑）
拍子をとるだけでも、ゆーらゆらしてる感じ。浮遊感がすごいです。
そして、メロディーも和声も、とーってもオシャレ。
力の抜けた感じと、おしゃれ感が相まって、すごく都会的な感じがします。
おわりに
いかがでしたか？
実は、この曲は地元でミニリサイタルをしたときに
1曲目にうたった曲でもあります。
まだ会場が温まってない中、一瞬で世界観を作れるし、
それでいて聴きやすく、カジュアルな雰囲気も作れて
お客さんとの距離が縮まるかなーと思い、1曲目にセレクトしました。
歌詞の捉え方によっていろんな解釈ができるし、とても面白い曲だと思います。
またうたいたいな～♬
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