曲の紹介

「いちじくの木の下」作曲:なかにしあかね、作詞:星野富弘

ソプラノ/アウトリーチ専門演奏家の永井友梨佳です♩

 

本日ご紹介するのは、なかにしあかね作曲・星野富弘作詞の「いちじくの木の下」

歌曲集「二番目に言いたいこと」の5曲目となります。

 

 

作曲のなかにしあかねさんって?

合唱曲や声楽曲が人気の、私も大好きな作曲家さんです。

くわしくはこちらの記事をぜひ↓

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作詞の星野富弘さんって?

とても心に刺さることばを書かれる、詩人であり画家でもある星野さん。

くわしくはこちらの記事をぜひ↓

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「いちじくの木の下」の歌詞

では、歌詞をみてみましょう。

いちじくの木の下

 

いちじくの 木の下に行けば

キリストの声が

聞こえてくるようだ

「ザァカイ、急いで降りてきなさい」

 

教会へ行けないから

時々、いちじくの木の下へ行く

そして

ザァカイのように

うなずいて

帰ってくる

 

詩・星野富弘

キリスト教について詳しくない人は、

この詩を読んでもあまりピンとこないかもしれません。

私も初めて読んだときは「?」という感じだったのですが、

この詩にまつわることを調べたら、とても詩への理解が深まりました。

 

ザァカイのお話

この詩には、ザァカイという人がでてきます。

実は、キリスト教の聖書(ルカによる福音書)の中に、

ザァカイという人のエピソードがあるんです。

少しご紹介してみますね。

エリコという町に、ザァカイという人がいました。

ザァカイは町の徴税人で、お金持ち。

しかし、税金に自分の取り分を上乗せして徴収していたりしたので

町の人々からは嫌われていました。

 

さて、そのエリコの町に、イエスとその弟子たちがやってきました。

町は大騒ぎ。

大勢の人たちが、イエス様を見ようと集まってきました。

 

そしてザァカイも、イエス様を一目見たいとやってきました。

しかし、彼は背が低かったので、群衆にさえぎられて見ることができません。

 

そこで、ザァカイは走って先回りをして

いちじくの木に登り、そこからイエス様を見ようとします。

 

イエス様一行が通りかかりました。

ザァカイは、単なる見物人として、イエス様がどんな人だか見ようとしています。

ところが、そこに通りがかったイエス様が

木の上のザァカイをみて、声をおかけになったのです。

「ザァカイ、急いで降りてきなさい。

今日はぜひ、あなたの家に泊まりたい。」

 

ザァカイも、周りの人たちもとても驚きました。

しかし、イエス様は気にする様子もなく

ザァカイと共に家に向かい、一緒にすごしました。

 

その日から、ザァカイは今までの行いを反省し

自分の心を入れ替えることを決心しました。

なんとも、奥深いエピソードですよね…

町の嫌われ者であるザァカイに、手を差し伸べるイエス様。

そして、心を入れ替えようと決心するザァカイ。

ザァカイは、誰かに受け入れてほしかったのかも。とても嬉しかったんだと思います。

このエピソードを知ると、詩の中の

「いちじくの木」や「ザァカイ、急いで降りてきなさい」の意味もわかってきます。

 

自分で自分のことを嫌いになってしまうとき

作詞の星野さんは、頚椎損傷の事故があってから4年後に、キリスト教の洗礼を受けています。

そして、この詩の中ではご自身を「ザァカイのように」と言われていますよね…

ザァカイは、いわば私腹を肥やす嫌われ者。

そう思うと、この詩の深みも増してきます。

ザァカイのように、心を入れ替えたいと思うことがあったのでしょうか。。

 

でも、自分が醜いなあとか、意地汚いなあと思うことは

私もありますし、誰しも経験があると思います。

自分で自分のことが嫌いになってしまったとき、

イエス様のように、そのままの自分を受け入れてくれる人がいたら本当に救われますよね。

この詩のように、いちじくの木の下に行ってイエス様のことを思えば

心を入れ替えようと思えるかもしれません。

 

曲の世界観

なかにしあかねさんの曲も、本当に素晴らしく

詩の世界観が、曲によってさらに広がっています。

手前味噌ではありますが、私が以前うたったものを貼ってみますね↓

ピアノの前奏は、鐘がなるようなとても印象的なフレーズから始まり

その後、走っているような、少し不安になるような音型に変わります。

ザァカイがイエス様を見に、走っていちじくの木に向かっているのかな…?

 

そして、イエス様がザァカイに声をかけるセリフ

「ザァカイ、急いで降りてきなさい」

ここで一気に曲調が変わって、包み込むような感覚になります。

イエス様の包容力…

 

言葉が少ないながらも、とても密度の濃い曲ですよね。

最後は、まだ不安があるけれど少し希望のみえるような

そんな感じがあって、とても好きです。

 

おわりに

この曲は、以前病院で歌わせてもらったときに

ザァカイのエピソードをお話してから演奏をしたことがあります。

詩への理解が深まったのか、観客のみなさんにはとても聴き入って頂けました。

こういう、少しバックグラウンドのある曲もとてもいいですよね。

大切に歌っていきたい曲のひとつです。

 

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永井友梨佳
声楽講師/ボイストレーナー。ソプラノ歌手。
鳥取県米子市出身。京都市立芸術大学音楽学部声楽専攻卒業。

ストアカ プラチナバッジ獲得講師。レッスン受講者からの評価は、平均☆4.97をいただいています(レビュー件数200件以上)
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